オキムです!
今回の記事では、今更ですが防寒着の選び方について紹介していきたいと思います。
もうひと月もすると出番は少なくなるかもしれませんが、来シーズンに向けて参考になるかなと思って記事を書いております。
防寒対策の重要性
釣りを始めて間もない頃は、ロッドやリール、そのほか釣りに必要な小物を揃えるのに手一杯で、防寒対策がおろそかになりがちです。
もちろん狙った獲物を釣るためにはそれなりの道具が必要になりますが、それと同等に釣りに必要な集中力を維持する上でも、快適に釣りをするということは非常に大事なことなのです。
また寒さによって手先・足先の感覚が鈍ったり、集中力が散漫になると転倒や落水など事故のきっかけにもなりますので、できるだけ早い段階から『快適に釣りが出来る環境作り』にも意識を向けるよう心掛けて行きましょう!
用途による防寒着の違い
防寒着と一口に言っても、用途によってお勧めなものが少し異なります。
例えば『釣り』や『登山』とスキーやスノーボードなどの『ウインタースポーツ』では運動量が大きく異なるため、同じものを揃えても性能を十分に発揮できない可能性があります。
体を常に動かす『ウインタースポーツ』では、保温性よりもかいた汗をなるべく早くウェアの外へ逃がす、また汗をかきにくい構造である事が主になっています。
基本的に釣り用途のものに比べて薄手なものが多いです。
『釣り』と『登山』は少し似たところがありますね。
『静』と『動』両方を併せ持つ『釣り』と『登山』は防寒着についての考え方も少しややこしいのです。
『釣り』に関して言えば、磯渡しやランガンの移動など短時間汗をかく運動があり、一旦釣りを開始すれば今度はじっとして動かないため体が冷えやすい。
釣りでは『静』と『動』、両方の時間をできるだけ快適に過ごせる機能がウエアには求められるのです。
レイヤリングという考え方
近年では『釣り』に関わらずアパレル全般に、『レイヤリング(もしくはレイヤーシステム)』という考え方が一般的になっています。
レイヤーとは層という意味ですが、厚手のウェアを少数枚着用するより、厚さや保温性、機能の異なるウェアを複数組み合わせることで、より天候・気候に厳密に適応していこうという考え方です。
基本的には『アンダー(下)』『ミドラー(中)』『アウター(外)』の三種類のウェアの組み合わせによってオールシーズンを対応しようという考えです。
それぞれ『アンダー(下)』『ミドラー(中)』『アウター(外)』には大まかな役割が決まっています。
アンダー
汗を乾かす。
運動によって生じた汗をなるべく早く気化させて体をドライに保つことで、体が冷えきってしまうことを防ぎます。
ポリエステルなど撥水性の高い化繊素材のものが多いですね。
ミドラー
保温する。
体から生じた熱を長く溜めておくのがミドラーの仕事です。
最近では湿気を吸って発熱する繊維も開発されていますので、アンダーウェアからミドラーに放出された汗が熱に変わると思うと凄い技術ですね!
アウター
外気(冷気)や雨、雪がミドラー領域に侵入するのを防ぐ。
アウターが外の冷たい空気を簡単に通すと、ミドラーが蓄えていた熱も外へ逃げてしまうので風や雨を通さない素材のものがおススメです。
最初にビニール素材のウェアを思い付きますが、まったく空気を通さないとい次第に『汗による蒸気』がウエア内に溜まって、寒さの原因になりますのでおススメできません。
長靴を履いていると足が蒸れてくるのと同じ現象ですね。
(雨や雪が降る中、適当なアウターが無いという場合はビニールカッパでも無いよりはましですけど!)
釣具店やアウトドア・スポーツ用品店のウインドブレーカーなど、防水・防風・透湿の機能をそなえたウエアがおススメです!
最近は無法松やワークマンなど、作業服店でも高機能な防寒着を取り揃えるようになりましたので、こちらも要チェックです!私も結構利用してますよ~!
参考までに
私も歳を取ると寒さを気合で凌ぐのもしんどくなって、これまで色々なウエアを試してきました。
レビューを交えながら、現在使用しているウェアを幾つか紹介してみたいと思います!
アンダー
モンベル ジオライン LW(ライトウエイト)シャツ
厚さ違いで薄手、中厚手、厚手の3種類があるようですが、オールシーズン肌着として利用できるので、私は一番薄手のものを愛用しています。
汗が乾きやすく、また臭いが出にくいのが特徴です。
他の速乾機能を有したシャツとそれ程差があるかは分かりませんが、いつもサラッとしていて肌触りが良いですね。
お値段は3000円程度(税込み)と、肌着としては少し高め。
防寒対策だけの利用なら厚手のタイプを買った方が良いかもしれません。
ぽっちゃり体系で通常Mサイズがキツク、Lサイズが緩い私ですが、コチラの商品だと伸縮率が高いのでどちらのサイズでも違和感なく着用できています。
ミドラー
私はレイヤリングにおいて、ミドラーが一番重要かつ選びにくいウェアであると考えています。
冬場はミドラーとして、春・秋はアウターとして…利用幅の広いウェアですが、その分デザインと内容が良いものを!少しお金を掛けてもよい!というアングラーが多いです。
当然メーカー側も競って沢山のアイテムを開発しているのでどれを選んでよいか凄く迷ってしまいますよね。
『ミズノ・ブレスサーモ』
『モンベル・ジオライン』
『フリーノット・光電子』
今までに試してみた3つのアイテムを紹介してみたいと思います!
モンベル・ジオライン・エクスペディション
ジオラインの一番厚手のタイプです。
アンダーウェアで紹介した通り主な機能は『高い撥水性』です。
極寒期よりは秋口のレジャーに向いていると感じました。
朝夕は寒いが、日中暖かく動くと汗をかきやすいシーズンでの利用がおススメです。
一番厚手のモデル『エクスペディション』でも比較的薄いので、こちらをアンダーウェアに充てるというのも有りだと思います!
ミズノ・ブレスサーモ
ミズノのイメージが強い野球やゴルフでは有名なウエアではないでしょうか。
ブレスサーモは運動した際に発生する汗を熱に変える繊維を生地に織り込んでいて、僅かでも動きのあるレジャー(スポーツ)に向いている商品だそうです。
動きの少ない『釣り』には効果が少ないのでは!?という声もありますが、動きの少ないシーンでも人間は微量に汗をかいておりますので、結構温かいなと私は感じております。
逆に激しく運動すると暑くて沢山の汗をかくので、こちらの方が問題でしょう。
磯渡しを終えた後は暑くて沢山の汗をかきますが、中々撥水性の高いアンダーウエアでも処理が追い付かないのでとても寒く感じる時がありますね。
いつも程よい運動のあるランガンの釣りなどには向いているアイテムかと思われます。
フリーノット(ハヤブサ)・ 光電子ウェア 超厚手タイプ
ブレスサーモが運動時の汗(湿気)を熱源とするのに対し、こちらは人の体温を元に熱を作る構造のようです。
(ちょっと違いますが難しいので、携帯カイロの小スケール版と考えて下さい。)
着用した感じ、とにかく『厚手』で『起毛が凄い』ので温かさは一番です。
(正直温かさが光電子のお陰かどうかは疑問です。)
但しこの厚さのせいで動きづらいことと、激しい運動の後で沢山の汗をかくことはマイナスポイントです。
それとアウターによってはこれを着用すると前のジッパーが締まらないというくらいかさばるので、アウター選びも慎重にする必要がありますね。
実際以上のことから実釣での使用は少なく、私は部屋着として利用しています♪
フリーノット(超厚手タイプ)はこんなにモコモコで厚い!
パッと見、厚手のトレーナーと見分けがつきませんね(;^_^A
厚さの順だと、
フリーノット >> ブレスサーモ > ジオライン
ブレスサーモとジオラインはほぼ同じ厚さで、状況次第ではこの上に更に薄手のダウンジャケットを着用する余裕があります。
暖かさでは、
フリーノット = ブレスサーモ(ジオライン) + 薄手のダウンジャケット
コストを考えればフリーノット1着の方が安くつきますが、ブレスサーモやジオラインとダウンジャケットを持っていれば、組み合わせによってさらに多様な体温管理ができるという考え方もあります。
アンダー、ミドラーを選ぶにあたって1つアドバイスです。
ハイネックや丸首、Vネックなど首周りの仕様が色々あるものがありますが、ジッパーの付いたタイプはおススメしません。
着用の際は便利ですが、ジッパー金具や縫製があごや首に当たって釣りの最中ストレスになります。
ネックの形状はお好みで良いと思いますがジッパー無しを選ぶ事をおススメします。
あればハイネックタイプのジッパー無しが良いでしょうね。
アウター
アウターに関しても厚手のものと薄手のもの2種類を愛用しています。
レインスーツ(雨合羽)もいれると3種類になるでしょうか。
違いは中綿の量の差。
アウターは防水防風さえできていればそれでいいんじゃないの!?と思うでしょうが、本当に寒い日だとやっぱりアウターにも綿が沢山入っていた方が温かいです!
確かに考えようによっては、アウターはペラペラの防水防風素材でミドラーにそれを補うだけのモコモコのダウンジャケットを着用しても同じことだとは思います。
ここ数年でダウンジャケットも安価なものを見かけるようになり、釣りでも着用している人を多く見かけるようになりました。
とても暖かく軽い、そして押さえれば小さくまとまるのでミドラーには最適ですが欠点はお洗濯ですかね。
汗をかいたり潮を被ったり、ちょくせつ撒き餌や魚の返り血を浴びなくても汚れた手で触る機会は多いでしょうから、たまには洗濯しないと気持ち悪いですよね。
ダウンジャケットは洗濯機で回すと綿が寄って、機能が著しく低下してしますので通常クリーニングに出したり、面倒でも手もみ洗いしたり…。
取り扱いが面倒なのもありますが、羽毛を採るために殺処分されるガチョウの事を考えるとできるだけ化繊や綿入りのウェアの利用をお願いします。
あと今持っているダウンジャケットを大事に長く使って戴きたいです。
アウターウェアには『防水透湿機能』を備えたアイテムがおススメです!
20年ほど前からアウトドアウェアを中心に広まってきた機能です。
アメリカのゴア社が開発した『ゴアテックス』が一番有名だと思いますが、近年では繊維メーカーやアパレルメーカーが各社オリジナルの透湿素材を開発して販売していますね。
登場して間もない頃は『なんちゃって防水透湿ウェア』も多く、防水透湿を謳っていても、効果が長く続かないものや全く効果が感じられない商品が多かった印象ですが、近年は企業努力でしょうか、『ゴアテックス』以外でも結構使えるものも増えてきたように思います。
(それでもやっぱり最先端を走っているのはゴアテックス)
(ダイソンのサイクロン技術と似たお話ですね)
天候が悪い日は釣りに行かないよ!という人は防水機能に関してあまり重要視する必要もありませんが、透湿機能は備えているものの方が快適に釣りができると思われます。
防水透湿の構造はというと、
水と水蒸気の分子サイズの違いを利用して、水の分子より小さく、水蒸気の分子より大きな穴の開いたシートをウェアの生地にラミネート(貼り付)。
汗を放出して雨はブロック!することが出来ています!
(話をぶり返すようですが…こんなに凄い技術を開発できる時代になっても、まだガチョウの羽に頼ってるって何だか変ですよね~)
メーカーの信頼性の高さによってお値段もピンキリで、数千円程度から透湿機能を備えたアイテムも見つかりますので、予算に余裕があれば無いよりは付いたものを選ぶと良いでしょうね!
メーカーによっては取り扱い(お洗濯の仕方など)に注意が必要なものもありますので、付属のタグを良く確認するようにしましょう。
必ず試着をして下さい!
レイヤリングに限らず、ウエア購入の際には必ず試着することをお勧めします!
特にレイヤリングの場合、購入したウェアの上や下に更に重ね着することが前提なので、カタログの表記寸法より余裕をもったサイズ選びが重要になるケースがあります。
試着せずに通販やオークションで購入すると、実店舗より随分お安く買えることもありますが、予想より大きかった(小さかった)ということで、失敗することも多いです(;^_^A
(私も結構失敗して今では必ず試着してから店頭、もしくは通販で購入するようにしています。)
メーカーの表記寸法通り購入すると、単体だと丁度良いけど下には何も着れないよ!ということが多いです。
コレが薄手の防寒着だと、極寒期には更にもっと厚手の防寒着を買い足さないといけなくなるかも…。
防寒着を試着するのは各社、秋冬のアパレル製品が店頭に出揃う11月がおススメです!
10月頭には釣具店で各社メーカーのその年の秋冬アパレル用品カタログが無料で貰えますので、これを見て試着したいアイテムに目星を付けると良いでしょう!
試着するには、なるべく大きくて品揃えの良いお店を選びましょう!
品揃えが少ないお店だと、お目当ての商品が無かったり、サイズや色が少ないことも。
試着してお気に入りの商品が決まったら、お値段と相談して購入してしまっても構いませんし、12月には大抵どこのお店も秋冬ものを安く売りだすので、このタイミングが一番の狙い目でしょう!
セールは大抵翌年の3月あたりまで続いて、値引くお店だと定価の半額辺りまでお安くなりますが、その頃にはサイズや色の選択肢が限られてしまいます。
メーカーによっては『レイヤリング』 を意識して、重ね着した際にどの程度温かさが得られるのかを数字で表記してくれているものもあります。
カタログやタグで見かけたら是非参考にしてみて下さい!
まとめ
今回は私なりに防寒着の選び方をまとめてみました!
今年は例年より寒いですし、5月あたりまでや夜間・早朝冷え込むこともありますので、しっかりした防寒対策を整えるよう心がけていきましょう。
レイヤリングを考えて防寒対策に臨めば、『アウターだけ』、『ミドラーだけ』という揃え方もできますから、まずは手持ちのウェアが『アンダー』『ミドラー』『アウター』どれかに使えないかを考えてみて、足らないところについて今後購入を検討するというのがベストでしょう!